日本初演(ドイツ語上演・字幕付き)
台本・作曲 : フランツ・シュレーカー
Franz Schreker
Chistophorus oder »Die Vision einer Oper«
japanische Erstaufführung
リヒャルト・シュトラウスと
双璧を成したオペラ作家
フランツ・シュレーカーのオペラ、
日本初の舞台上演!
フランツ・シュレーカー
(1878 in Monaco-1934 in Berlin)
没後90年記念
内容
あらすじ
作品解説
「クリストフォロス、そしてアンゼルムス・ルーへの道」クリストファー・ヘイリー
(2002年キール劇場公演プログラムに掲載した論文の日本語訳)
全曲のドイツ語 / 日本語対訳台本
シュレーカーの写真、自筆楽譜画像など多数
価格
1,300円(送料込み)
購入方法
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シュレーカーは、R.シュトラウスが《薔薇の騎士》《ナクソス島のアリアドネ》《影の無い女》を書いた同時期に、彼の三大オペラと呼ばれる《遥かなる響き》《烙印を押された者たち》《宝掘り人》を完成させ、当時のオペラ作曲家で唯一、シュトラウスに並ぶ公演回数を誇る人気作家に上り詰めました。
その功績によって彼はベルリン音楽大学の学長に就任し、作曲教授として多くの逸材を育てた一方、次第に強まるナチスの圧力と、急激な作曲様式の変化という時代の荒波に翻弄されて、自身の新作オペラは前作ほどの評価に届かなくなりました。
《クリストフォロス、あるいは「あるオペラの幻影」》は、このような境遇にシュレーカーが放った抵抗の一矢です。
作曲家である主人公には、彼自身の音楽観を語らせます。そしてバロックから後期ロマン派に至る伝統的な音楽、およびウィーンのモダニズムを色濃く反映した「三大オペラ」の作風と、当時最先端の前衛的な音楽様式からキャバレー音楽までを縦横無尽に融合させ、さらにフロイトの精神分析と、ヴァイニンガーのジェンダー論まで盛り込んだ、意欲あふれる実験作です。
しかし極めて官能的で美しい音楽と、コミカルな芝居によって、作品の全容は上質の娯楽に仕上がっています。
1933年に予定された初演は、ナチスが同年1月に政権に就いたことによりキャンセルされました。シュレーカーは学長等の公職も追われ、秋には脳梗塞に倒れて翌年3月、56歳の誕生日目前に亡くなります。
この曲は唯一、彼自身が観る事のできなかった、自作オペラとなりました。
ナチスから「退廃芸術」の烙印をおされた多くの作品のうち、シュレーカーのオペラは戦後の復活が最も遅れ、ようやく1970年代から取り上げられるようになりました。その一環としてこの曲も、作曲後約半世紀を経た1978年にフライブルクで、「初演」されました。しかしその後は2001年キール劇場の上演記録しかありません。
当公演はシュレーカーの全オペラ作品をつうじて、日本初の舞台上演になります(国内で唯一の全曲公演は2000年東京フィル・大野和士の《遥かなる響き》演奏会形式です)。
会場
清瀬けやきホール
日程
2024年 6月 22日(土)・23日(日)
両日とも14時開演
上演予定時間
約 2時間 30分(休憩含む)
会場
大泉学園ゆめりあホール
(西武池袋線大泉学園駅直結)
日程
6月2日(日)19時開演
出演
佐久間龍也(指揮)、舘 亜里沙(演出)、
田辺とおる(公演監督・解説)、
抜粋演奏:芹澤佳通(アンゼルム)、宮部小牧(リーザ)、石崎秀和(クリストフ )、小林遼(ピアノ)
料金
1,000円
(公演チケットをお持ちの方・受付で購入される方は無料)
内容
シュレーカー、およびオペラ《クリストフォロス》についての解説、
指揮・演出家・歌手によるトークセッション、抜粋演奏など。
公演監督
Produktionsleitung
田辺とおる
Mag. Toru Tanabe
国際声楽コンクール東京 /
プリマヴェーラ声楽コンコルソ代表,
(一社)カンタームス代表理事
指揮
Musikalische Leitung
佐久間龍也
em.Prof.Tatsuya Sakuma
沖縄県立芸術大学名誉教授
演出
Inszenierung
舘 亜里沙
Dr. Arisa Tachi
音楽学博士、東京藝術大学講師
役名
6月22日
6月23日
アンゼルム
Anselm
芹澤佳通*
Yoshimichi Serizawa*
芹澤佳通*
Yoshimichi Serizawa*
リーザ
Lisa
津山 恵
Megumi Tsuyama
宮部小牧
Komaki Miyabe
クリストフ
Christoph
石崎秀和
Hidekazu Ishizaki
高橋宏典*
Hironori Takahashi*
ロジータ
Rosita
武井涼子*
Ryoko Takei*
塙 梨華*
Rika Hanawa*
ヨハン先生
Meister Johann
田辺とおる
Toru Tanabe
岡部一朗
Ichiro Okabe
シュタルクマン
Starkmann
岡部一朗
Ichiro Okabe
田辺とおる
Toru Tanabe
霊媒フロランス
Florence, ein Medium
原 夏海*
Natsumi Hara*
大澤桃佳*
Momoka Osawa*
ハインリッヒ
Heinrich
上田 駆*
Kakeru Ueda*
金子快聖*
Kaisei Kaneko*
フレデリック
Frederik
金子快聖*
Kaisei Kaneko*
上田 駆*
Kakeru Ueda*
アマンドゥス
Amandus
西條秀都*
Shuto Saijo*
長島有葵乃*
Yukino Nagashima*
エルンスト
Ernst
長島有葵乃*
Yukino Nagashima*
西條秀都*
Shuto Saijo*
子供
Das Kind
都筑夕姫菜*
Yukina Tsuzuki*
長嶋穂乃香*
Honoka Nagashima*
ハルトゥング博士 / 司会者
Dr.Hartung / Der Conférencier
ヨズア・バルチュ
Josua Bartsch
ダニエル・ケルン
Daniel Kern
カルダーニ神父
Abbé Caldani
ダニエル・ケルン
Daniel Kern
ヨズア・バルチュ
Josua Bartsch
リーザの侍女エッタ
Etta, Lisas Zofe
中尾 梓
Azusa Nakao
中尾 梓
Azusa Nakao
ピアニスト(第2幕は連弾)
Der Pianist (vierhändig im 2.Akt)
小林 遼
Ryo Kobayashi
波木井 翔
Sho Hakii
ホテル《モンマルトル》の客(両日)
Gäste vom Hotel “Montmartre” (beide Vorstellungen)
小野寺礼奈*
Reina Onodera
小林愛侑
Ayu Kobayashi
西脇紫恵*
Shie Nishiwaki
*: 国際声楽コンクール東京,
プリマヴェーラ声楽コンコルソ,
東京国際声楽コンクール入選・入賞者
*: Preisträger und (Semi-)Finalisten des Internationalen Vocalcompetitions Tokyo bzw. Concorso di Canto "Primavera"
弦楽合奏
Streicherensemble
コンサートミストレス
Konzertmeisterin
三戸素子
Motoko Mito
1.Vn:三戸素子, 福嶋慶大, 塗矢真弥 ; 2.Vn:城達哉, 渡邊田鶴野, 山中直子 ; Va:長谷川弥生, 川上拓人 ; Vc:小澤洋介, 宮澤等 ; Kb:西澤誠治
1.Vn: Motoko Mito, Keita Fukushima, Maya Nuriya ; 2.Vn: Tatsuya Shiro, Tazuno Watanabe, Naoko Yamanaka ; Va: Yayoi Hasegawa, Takuto Kawakami ; Vc: Yosuke Ozawa, Hitoshi Miyazawa ; Kb: Seiji Nishizawa
エレクトーン(管打楽器担当)
Electone(E-Orgel von Yamaha, für Bläser und Schlagzeuge zuständig)
山木亜美
Ami Yamaki
柿﨑俊也
Toshiya Kakizaki
台本和訳 : 田辺とおる
Japanische Übersetzung: Mag. Toru Tanabe
字幕 : 小畑朱実
Übertitel: Prof. Akemi Obata
舞台技術 : 清瀬けやきホール
Bühnentechnik: Werkstatt des Kiyose-Keyakihalls
制作事務 : 中尾梓, 山田彩水 (一社カンタームス)
Betriebsbüro: Azusa Nakao, Ami Yamada (CANTAMUS Corp.)
全席 自由 8,000円
チケットの販売は
終了いたしました
Werkinformationen
作品の概要
大男レプロブスは、強きものに仕えることを望み皇帝のもとに居たが、皇帝が悪魔を恐れたことから、悪魔に従って悪行を重ねた。しかし隠者から奉仕することを諭されて、川を渡る人々を助けていた折、一人の少年を背負ったところ、川の中で際限なく重みが増してゆく。少年は自らがイエス・キリストであり、全世界の罪を背負っているため重いのだと明かし、レプロブスを祝福して、今後はキリストを背負ったものという意味の、クリストフォロスと名乗るよう命じた。
表題のとおり、このオペラはキリスト教の聖人伝説を念頭に置いている。しかし伝説自体は、オペラの筋書には組み込まれていない。聖人クリストフォロスを「同名の祖先」と呼び、強きものを希求する登場人物、クリストフの人物像にシュレーカーは伝説を象徴させた。その対極をなす弱きものには、作曲学生のライバルであるアンゼルムをあて、強きものは凡庸、弱きものは才能豊かな人物と設定した。
プロローグの舞台は作曲教師ヨハンの音楽室。伝統的価値観を持つヨハンは学生たちに,聖クリストフォロス伝説を題材にした弦楽四重奏曲を書くという課題を与える。しかしシュレーカーの思想を代弁する気鋭の新進作曲家アンゼルムは,伝統的で純粋な音楽形式としての弦楽四重奏を拒み,同じ素材に拠るオペラを企てる。それは彼自身がオペラを書いているという筋立てである。この劇中劇にはアンゼルムとは対照的な,因習に捉われた作曲技法に甘んじる,凡庸な才能の同僚学生クリストフが登場する。
師ヨハンの娘でファムファタル的な性質をもつリーザは,作曲を断念して妻子への愛情に生きると宣言したクリストフと結婚するが,アンゼルムとの恋心も鎮めることができず,第1幕2場でクリストフに射殺される。アンゼルムはクリストフの逃走を幇助し,二人はキャバレーに身を沈める。この第2幕でクリストフは,霊媒の口寄せでリーザの声を聴くうちに覚醒して,劇中劇の構想を超越し,象徴的な死という救済に邁進する。
長い間奏曲に続いてヨハンの音楽室に戻ったエピローグでは「男の力を知りつつ女の弱さに留まる者」たるべしと諭す老子の『道徳教』の一節が響く。劇中劇が破綻してプロローグにおける作曲学生に戻ったアンゼルムは,オペラを諦め,やはり弦楽四重奏を作ると師のヨハンに伝えて,作品は幕を閉じる。
田辺とおる「二作目の自伝的オペラ《クリストフォロス,あるいは「あるオペラの幻影」》,「芸術の黄昏」の時代におけるシュレーカーの試み」,Der Keim, Nr.46, 東京外国語大学大学院ドイツ語学文学研究会,2022年,5-38頁。
一般社団法人カンタームス
CANTAMUS CORPORATION
清瀬けやきホール
Kiyose-Keyakihall
シュレーカー協会(米国・ペニングトン)
総裁:Dr.クリストファー・ヘイリー
Franz Schreker Foundation (Pennington, USA)
Direktor: Dr. Christopher Hailey